新興再興感染症への備え
Preparedness for Emerging and Reemerging Infectious Diseases
国立国際医療センター(NCGM)国際感染症センター(DCC) 国際感染症対策室では、国内外で発生する新興・再興感染症から国民の健康を守るため、常に「最悪の事態」を想定した多角的な備えを行っています。
当センターでは、高度な隔離環境での診療体制の維持に加え、未承認薬へのアクセス確保、有事の際のオペレーション訓練を柱とした対策を推進しています。
医療用対抗手段(MCM)の構築
治療薬・予防薬の確保と特定臨床研究の実施
未知のウイルスや国内未発生の感染症が発生した際、有効な治療手段を迅速に提供できる体制(MCM: Medical Countermeasures)の構築は極めて重要です。
DCCでは、以下の疾患に対するPEP(曝露後予防)薬および治療薬を国内で確保し、有事の際に迅速に投与できるよう、特定臨床研究を立ち上げています。
これにより、通常の薬事承認プロセスの枠組みを超え、人道的・公衆衛生的な観点から必要な患者様へ速やかに高度な医療を届ける体制を整えています。
高度隔離環境での診療・搬送訓練
NCGMは、新感染症および一類感染症等に対応する特定感染症指定医療機関に指定されています。当センターに設置された「新感染症棟(特殊隔離病棟)」では、いつ発生するかわからない脅威に備え、年間を通じて高度な訓練を実施しています。
■ 新感染症棟での診療訓練
特殊な気圧制御(陰圧環境)を備えた病棟において、個人防護具(PPE)の着脱、高度な生命維持装置の操作、検体採取、廃棄物処理に至るまで、医療従事者の安全と二次感染防止を徹底した診療シミュレーションを行っています。
■ 患者搬送訓練
地域医療機関や保健所、検疫所と連携し、高度隔離搬送ユニット(アイソレーター)を用いた確実な搬送動線の確認を行っています。センター内のみならず、空港からの直接搬送など、国境を越えた脅威に対する水際対策との連携も強化しています。
国際連携と情報発信
新興感染症の発生は一国に留まるものではありません。私たちはWHOや各国の感染症対策機関(CDC等)とリアルタイムに情報を共有し、最新の知見に基づいた「備え」を常にアップデートしています。
